信用金庫で働くということ
この記事の要約
はじめに
私は大学卒業後に新卒で就職した信用金庫を退職しています。
在職期間は約1年6か月間と、ごく短いものでした。
「経済の血液である資金を企業に融通し、日本経済に貢献したい」
「多様なファイナンス手段を持つ大企業よりも、融資に頼らざるをえない中小企業の味方でありたい」
との思いから、東京に本拠地を構える信用金庫に就職しました。
しかし、入社してまもなく「金庫の活動が本当に顧客のため、社会のためになっているのだろうか」という疑念がわき起こりました。また、歴史ある会社•業界であるがゆえの「非合理的な社内規則や慣習」といった、理想と現実のギャップに苦しみ続けてきました。
「入社したての自分に何が分かる」
「熟慮の末に選んだ企業ではないか」
と自らを鼓舞して懸命に働いたつもりではありましたが、とうとう退職を決断しました。
退職を決めた理由
おもに3つあります。
- 経済情勢の劇的な変化により、「融資」による「企業の成長を通じた社会•経済の発展」というビジネスモデルがすでに限界を迎えていること
- 定型的な、創造性を必要としない、世の中の需要と乖離した業務があまりに多く、ビジネスマンとしての将来に大きな不安を感じたこと
- 従業員を大切にする文化がないこと
私がこの記事を執筆することで、自分の考えや感じたことを整理し、また同時に少しでも多くの人に業界の現実を知っていただき、世の中や会社が変わるきっかけになれば、との思いがあります。
とりわけ地銀、信金業界を目指す就活生には、本当にこの業界に行きたいのか、知名度や少しばかりの給与の高さで何となく選んでしまってはいないか、再考していただくきっかけになれば嬉しいです。
記事の内容自体は私が働いていた信用金庫のことですが、全国のすべての信用金庫、加えて、横浜銀行、千葉銀行など一部の大手を除くすべての地方銀行に共通する部分が多いでしょう。
また、メガバンクにはスマートな印象をお持ちの方も少なくないかと思いますが、支店勤務である限り銀行業界のノルマ主義、閉鎖的な環境などの部分では似たり寄ったりでしょう(本部や海外勤務となると事情は全く違うと思いますが)。
また、日本中の数ある「業種•企業」のなかで、どうして私は「銀行業•信用金庫」を選択してしまったのか。誰もが読める形で書き表すことによって、何かが見えてくると考えます。
記事は全10回程度の予定で、全て真実によって構成されます。
少しでも多くの人に読んでいただけたら幸いです。